僕の頁 <SASと臨床試験と雑談と>

徒然なるままにSAS暮らし

----

スポンサーサイト  

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Posted on --/--/-- --. --:-- [edit]

CM: --
TB: --

1222

トレーサビリティ(Traceability)  

ADaMの位置付けで紹介したAnalysis-Readyとトレーサビリティですが、トレーサビリティの説明がまだでしたので補足しておきましょう。トレーサビリティ(Treceability)は、医薬品の審査を行う側にとっては非常に重要な概念となります。トレーサビリティは、大きく分けて以下の二つが存在します。
①Metadata traceability
②Data point traceability

まずは、①のMetadata traceabilityですが、その名の通り、メタデータによってトレーサビリティを確保することを意味します。メタデータとは、データのデータと呼ばれる概念で、例えば、変数名やラベル、その変数がどのように導出されたか等、そのデータの属性等を説明するデータとなります。医薬品開発の電子データ提出においては、究極的には、審査官が解析結果からデータの収集までさかのぼることができるように説明することが必要となります。ADaMにフォーカスすると、Define.xmlそのものとなります。Definexmlについては余力があれば別途説明しますが、データや解析結果の定義書になります。ADaMには、解析結果メタデータ(Analysis Results Metadata)と言って、解析結果とデータ間のトレーサビリティを確保する文書も存在します。

続いて、②のData point traceabilityですが、こちらは、ADaMデータセットにトレーサビリティ用の変数を直接格納することになります。確報方法は2通りあります。
・VISIT,VISITNUM,--SEQ等、SDTMデータからそのまま変数を保持することで、どこからADaMに持ってきたデータなのかを明示する方法
・SRC--変数といって、SRCDOM(元ドメイン)、SRCVAR(AVALの元となる変数)、SRCSEQ(--SEQ変数の値)の3個を組み合わせてトレーサビリティを確保する方法

1個のSDTMドメインから1個のADaMデータセットが作成される場合は前者、複数のデータセットからADaMデータセットを作成する場合は後者の方法がそれぞれ用いられることが多いかと思います。このあたりは先のPMDAワークショップでも話をさせて頂いたポイントですので、興味のある方はこちらから資料をダウンロードできますので是非ご参照ください。
スポンサーサイト

Posted on 2015/12/22 Tue. 22:29 [edit]

CM: 0
TB: 0

1220

Analysis-Ready (ADaMの基本原則)  

少し前にADaMの位置づけを紹介した際に、トレーサビリティとAnalysis-Readyという二つの重要なポイントに少しだけ触れましたが、Analysis-Readyとは何ぞやという点を整理しておきます。

Analysis-Readyとは:
・データのソートのような最低限のプログラミングを実行するだけで解析できること.
「最低限のプログラミング」について厳密なルールはない.レビューアー(新規医薬品の審査を担当する規制当局の審査官)が標準的なプロシジャを用いて結果を得ることが出来れば良い.
・ADaMの観点から,解析用データセットはレビュアーや特定の解析結果の再現をサポートするために必要なデータを含む.
・有害事象の発現率等,複数のデータセットを結合して処理を行う必要ある場合もある.有害事象の集計等で,初発フラグ等はAnalysis-Readyの観点からも作成が必要になる.

Analysis-Readyを実現できない場合:
・上述したように、AEの集計等で発現率の分母獲得のため、マージ等の処理が必要な場合
・MANOVA等、従属変数が複数ある場合
・生存時間解析用データセット(ADTTE)で、解析で再起事象を扱う場合

医薬品の審査プロセスにおいて、審査官にとってAnalysis-Readyは審査の効率化に寄与する非常に重要なポイントとなりますので、製薬企業はAnalysis-Readyが確保されたADaMデータセットの作成に注力する必要があります。

Posted on 2015/12/20 Sun. 19:07 [edit]

CM: 0
TB: 0

1220

BDSで行(Row)を加えるか,列(Column)を加えるか  

今日はADaMの話題です。医薬品製造販売承認申請時電子データ提出が2016年10月にいよいよ始まりますが、電子データはCDISC標準に準拠する必要があります。提出するデータは大きく分けてStudy Data Tabulation Model(SDTM)とAnalysis Data Model(ADaM)と呼ばれる形式で準備されますが、ADaMは解析データの標準形式となります。ADaMはその特性上、解析項目・解析手法によっては標準形式にデータを当てはめることが難しい場合がありますが、ある程度の標準化は進んでおります。今回はその中から、「BDSで行(Row)を加えるか,列(Column)を加えるか」をADaMIG V1.1Draftに従ってまとめておきます。

ルールは6個ありますが、押さえておきたいポイントは、「基本的に行を追加する」という点です。
Rule 1: AVALとBASEが同じ行でパラメータ内で関数が不変かつBASEの加工が不要な場合は列を追加する.(例:CHGやPCHG)
Rule 2: AVALの加工がRule 1を満たさない場合,新たなパラメータとしてAVALの加工後の値が格納される.(対数変換やSI変換)
Rule 3: 解析時点の生成のために同じパラメータ内で1つまたは複数行の関数は同じパラメータ内で新たな行を追加する.(複数時点の平均値等)
Rule 4: 複数行の関数による導出は新たなパラメータとして追加される.(CD4の累積AUC等)
Rule 5: 1つを超えるパラメータの関数による導出は新たなパラメータとして追加される.(TotalコレステロールとHDLコレステロールの比等)
Rule 6: 1つを超えるベースラインの定義が存在する場合,ベースラインの追加の定義それぞれについて,行のセットの作成が要求される.(複数のベースラインの定義がある場合等)

CHGのように、全ての行がAVAL-BASEで算出されるような場合を除いて、あらたな解析パラメータを定義する必要があると押さえておきましょう。上述したように、単位変換やTotalコレステロールとHDLコレステロールの比等々、行の追加が必要になります。IG V1.1のリリース後、事例を紹介したいと思います。

Posted on 2015/12/20 Sun. 18:10 [edit]

CM: 0
TB: 0

1212

解析結果メタデータ (Analysis Resultes Metadata)に関する考察  

先のInterchangeで発表させて頂いたAnalysis Results Metadata (ARM)の話題です。

ARMとは?
・ADaMのMetadataの一つで、解析結果が解析データからどのように作成されたかを説明する文書
・Define.xmlの一部として定義されている
・ARMがあれば、規制当局の審査官が、解析結果がADaMデータセットからどのように作成されたかを理解できる。特にPMDAにおいては、審査の迅速化につながる重要なツールとして承認申請時の電子データ提出等に関する技術的ガイドにおいて医薬品製造販売承認申請時に提出が推奨されている。

レギュラトリーサイエンス上の大きなポイントは、
・FDAはガイダンス上で提出を求めていないにも関わらず、PMDAははっきりとガイダンスで提出を推奨している点です。外資系企業だろうが内資系企業だろうが、日本で医薬品の承認申請を行うすべての企業はARMの作成を検討する必要があるということです。

考察すべき主な課題は、
・日本の申請においては、eCTD内のCSRの解析帳票にリンクが貼れない。
・現行OpenCDISC(Pinnacle 21に名称変更しました)でバリデーションできない。
・いわゆる「レガシーデータ変換」においては、解析プログラムを新規に作成する必要がある。
・自動生成が難しく、ツール類が充実していない。
等々です。

日本で電子データ提出の制度が開始される際には議論を呼びそうな話題なので今後も最新情報については発信したいと思います。

Posted on 2015/12/12 Sat. 21:00 [edit]

CM: 0
TB: 0

0815

ADaM関連の文書  

ADaMを勉強するにあたって目を通しておくべき文書を挙げておきます(漏れもありそうですが)。ADaMを理解するためにはSDTMの知識はもちろん必要ですが、SDTM関連の文書までカバーすると広がりすぎるので省いてます(もちろん規制当局絡み、Define.xmlやOpenCDISC等は共通ですが)。現在はドラフト版ですが、併合解析用のADSLもそのうちリリースされるでしょう。

CDISCのHPのADaMに関する文書
ADaM(Analysis Data Model)V2.1
 ADaMの概要や,ADaMで申請する際に求められるデータセットやメタデータの内容を包括的に定義している資料
ADaMIG(ADaM Implementation Guide)V1.0(及びV1.1ドラフト)
 実際にADaMデータセット及びメタデータを作成する際の変数や格納方法等の詳細が事例とともに紹介されているドキュメント.
OCCDS V1.0
 有害事象や併用薬の解析用のデータセットの定義を詳細に解説している資料.IGとともに実際の作業には必須となる.一般形としてOCCDSに統合される.
ADTTE V1.0
 生存時間解析用のデータセットの定義を詳細に解説している資料.IGとともに実際の作業には必須となる.
ADaM Validation Checks V1.3
 自動的に適合性の確認が可能な項目を定義している.OpenCDISCのADaMのConfigファイルの元となる文書.
Examples in Commonly Used Statistical Analysis Methods
 臨床試験で一般的に用いられる解析手法に対するADaMデータセットの例示
CDISC Define-XML Specification Version 2.0及びAnalysis Results Metadata (AResM) V1.0
 Define.xmlの定義とDefine.xmlの一部である解析結果メタデータ用の定義

②その他、関連する文書等
ADaM Controlled Terminology
 SDTMに比べると非常に少ないが定義されている.
Analysis Data Reviewer's Guide (ADRG)
 PhUSEから発行されたReviewer用のADaM関連の説明文書(試験ごとに作成)
OpenCDISC Validator
 CDISC標準の適合性確認(バリデーション)に使用される世界標準のツール
PMDA の通知類
 PMDAの申請時電子データ提出に関する要求事項を記載
FDAのガイダンス類
 FDAの申請時電子データ提出に関する基本的・詳細な要求事項を記載
FDA,CDISC,製薬企業のパイロット試験
 e-Data submissionの本番を想定し,必要な成果物を一通り作成したパイロット試験
PhUSEのWhite Paper等
 PhUSEでは,医薬品開発におけるDM・統計関連の様々なトピックのBest Practiceを議論し,CDISC関連のトピックも多く,White Paper等が発出されている.
TAスタンダード
 疾患領域ごとに定義されるモデルで、最近ADaMが定義される事例も増えてきた(TQT、DM、Dyslipidemia等).

余力があれば一つ一つ解説したいですね。CDISCでは脇役のADaM関連だけでもこんなに沢山の情報を収集する必要があるため、SDTMを含めて電子データ提出関連を全て習得するとなると、やはりそれ相応の年月が必要です。

参考:
CDISC
PMDA 次世代審査・相談体制について(申請時電子データ提出)
FDA Study Data Standards Resources
PhUSE
OpenCDISC
CDISC Terminology (NCI)

Posted on 2015/08/15 Sat. 00:39 [edit]

CM: 0
TB: 0

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

訪れた人

▲Page top

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。